最近目が疲れている。また、頭痛がする、肩がこる、良く眠れない、体調が悪いなどと訴える患者さんが増えています。
 目の疲れが、身体に不調をもたらしていることもしばしばあります。仕事の関係などでやむを得ない場合もありますが、できるだけ上手に目を使い、疲れをためないようにしたいものです。
 目の使い方に気をつけて、健康的な暮らしを心掛けてください。

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寝る2時間前 スマホ控えて     暮らしの扉  朝日新聞2014.0623    

パソコン、スマートフォン(スマホ)などIT機器の画面をずっと見ていると目が疲れませんか。体全体にも悪い影響があるそうです。健康を守る方法を專門家に聞きました。

いまから10秒間、目を開けたままでいてみよう。
我慢できず途中で目を閉じてしまった人はドライアイの疑いがある。涙の量が減るなどして目の表面が荒れる病気だ。
「パソコンやスマホをよく使う人がなりやすいです」と東京女子医科大医学部臨床教授の高村悦子医師(眼科)は言う。画面に集中すると、無意識のうちにまばたきの回数が減る。目の表面を覆う涙が蒸発しやすくなり、その結果、目の疲れや痛み、ショボショボやゴロゴロを感じるなどの症状が出る。

目の疲れは、ピントを調節する筋肉の凝りからもくる。人は近くを見る時、眼球にある毛様体筋を緊張させ、水晶体を厚くすることでピントを合わせる。近くの画面を長時間じっと見続けると毛様体筋は緊張しっぱなしだ。首や肩の凝り、頭痛、イライラの原因にもなる。

パソコン操作などで目の疲れを感じたら、画面から目を離して休憩するのが一番。高村さんによると、目を潤すために意識的にまばたきを増やしてみるといい。遠くの景色を見ると毛様体筋の緊張をほぐせる。近くに窓がない場合、数メートル先の物を見るのでも効果はあるという。
目の周りを軽く指で押してマッサージするのもいい。ただし眼球部分には触れないようにする。蒸しタオルで温めるのも効果的だ。「市販の目薬を癖になってさしている人がいるが、疲れや痛みが取れないなら眼科に行ってほしい」と話す。

パソコンの作業環境も整えるべし。厚生労働省のガイドラインでは、画面は目から40センチ以上離し、上端が目の高さと同じかやや低くなるようにする。1時間続けたら10~15分の休憩をとる。そばに加湿器を置くなどして乾燥も防ぎたい。
パソコンやスマホのLED画面やLED照明は、ブルーライトを比較的多く含む。紫外線に近く可視光線の中では最も強いエネルギーを持つ光で、これが健康に影響を及ぼすことが最近明らかになってきた。
ブルーライト研究会世話人代表で慶応大医学部教授の坪田一男医師(眼科)によると、ブルーライトは散乱しやすいため、ピントを合わせようとして目の疲れを招きがちだという。

体内時計に影響することも分かってきた。朝や昼は、太陽光に含まれるブルーライトが体内時計を正常に保つ働きをしてくれるが、夜間にパソコンなどの画面から目に入れると体内時計が狂い、睡眠障害や肥満、高血圧などを招く恐れがある。坪田さんは「少なくとも就寝2時間前はパソコンやスマホを使わないようにしたい。特に子どもは影響が大きく気をつけるべきです」と話す。ブルーライトを低減する眼鏡を使うことや、寝室の照明はLEDを避けることも対策の一つという。(毛利光輝)

◎ 目が疲れたと思ったら…

 ① 蒸しタオルなどで、目を温める
 ② 遠くの景色を見る(数メートル先でも良い)
 ③ 背伸びなどストレッチをしたり、歩いたりする
 ④ 意識的にまばたきをする
 ⑤ 目の周りを軽くマッサージする(眼球には触れないように)

○ 一日6時間以上
厚生労働省の2008年の調査では、パソコンなどのVDT(画像表示端末)を使う労働者
の約7割が身体的な疲労や症状を感じており、その9割が「目の疲れ・痛み」があると
答えた。1日あたりの平均作業時間は「6時間以上」と答えた人が25%で最多だった。

○ 子供の視力は
子どもの視力は年々低下している。2013年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力
1.0未満の子の割合は、高校で65.8%、中学校で52.8%・小学校で30.5%だった。30年前
と比べると小中高とも約10~20ポイント増えた。文部科学省は「明確な原因は分からないが、テレビやパソコン、ゲーム、スマホの影響も考えられる」と話している。

記事 画面から目を守ろう