老化による『もの忘れ』と『認知症』の違い

「あのコマーシャルに出ている女優さん、名前何だっけ?」「きのうの夕飯、何を食べたかしら?」
「老眼鏡どこに置いたかしら?」

人は誰でも年齢と共にもの覚えが悪くなったり、記憶力が低下したりします。こうしたもの忘れは、
脳の老化によるものです。

では、脳の老化によるもの忘れと、認知症のもの忘れはどこが違うのでしょうか。
例えば、「朝食を食べた事は覚えているが、何を食べたのか思いだせない」のが、脳の老化によるもの忘れ。
これに対し認知症は
「朝食を食べたことを思い出せない」のです。つまり、「具体的な内容を忘れる」のは、脳の老化による
もの忘れ、「出来事そのものを忘れる」のが認知症です。

認知症は何らかの原因により記憶や判断力などの脳の働きに障害がおこり、日常生活が送れなくなる
「脳の病気」です。認知症は脳の神経細胞がゆっくりと萎縮する「変性疾患」が原因で起こる
「アルツハイマー型認知症」やレビー小体が脳にできることで起こる「レビー小体型認知症」。

脳梗塞や脳出血などが原因で起こる「脳血管性認知症」などかおり、これらは「三大認知症」
と呼ばれています。

アルツハイマー型認知症は、脳の海馬(側頭葉内側部)の脳神経細胞が影響をうけるため、新しく物を覚えることが非常に苦手になります。
数年経つと記憶障害はひどくなり、つい先ほどの記憶が思い出せなくなるようになります。

レビー小体認知症は、脳内にレビー小体という異常たんぱく質が蓄積して、神経細胞が障害されて起こる認知症です。
初期には、幻覚や妄想、抑うつ症状が現れます。手足が震えたり、動きが鈍くなるなどパーキンソン症状も
見られます。

脳血管性認知症の場合、片麻痺や言語障害などの身体症状とともに、物忘れなどの認知症の症状が出てきます。脳卒中発作が起こるたびに、認知症の
程度が進行します。

認知症にはその原因となる病気によって多少の違いはありますが、認知症が進行すると理解力、判断力、
思考力が低下し、買い物で同じものを何個も買ってしまう、お金の計算ができなくなるなど日常生活にも
支障をきたすようになります。

また、不安や焦燥感から、暴言、暴行、幻覚、物盗られ妄想などが出現することもあり、自立した生活が
だんだんできなくなります。

早期発見・早期治療の大切さ

アルツハイマー型認知症は、ゆっくりとそして確実に進行していきます。明らかな症状が現れる頃には、
脳が萎縮してしまっていることが多く、現在では根本的に治療する薬はまだ開発されていません。

最近、軽症のうちに薬を飲み始めた方が薬の効果が長持ちする、ということがわかってきました。
早期に発見し、早期に治療を開始することで、状態の改善がみられたり、よりよい生活を送るヒントが
得られることもあります。
 
from:ういず