当たり前のことですが、眠ることは大切です。
疲れていたら、身体を休めましょう。

精神科医、香山リカ先生のエッセイです。

**********************************

体の声 素直に聞いて 

診察室でよく聞く言葉に「疲れが取れなくて」というのがある。

日中は家事や仕事で忙しくすごし、夜になって布団に入り、朝、目が覚める。
そのときに「なんだか、まだ疲れが残っているなと感じるんです」と話す人もいる。

これは「心の病」なのだろうか。そうも言い切れないだろう。

「あの、何時間くらい寝ているんですか」
「六時間くらいですかね」
「それじゃ疲れがなかなか抜けないでしょう。一度、十時間くらい布団に入っているのはどうでしょう」
「先生、冗談でしょう?そんなの不可能ですよ」。

そんな会話が交わされる。

「疲れが取れない」という問題の多くは、シンプルな休養不足。
その背景に、うつ病などの病が隠れているケースは一割にも満たないだろう。
仕事の量を減らし、休む時間を増やすだけでたいていの問題は解決するはずだ。

そう説明しても「それは無理」と言う人は、診察室で魔法の薬でも処方してもらえると思っているようだ。
「私の疲れはうつ病から来ていると言ってください。そして飲むだけで元気が出る薬をください」
とまで口にした人もいた。

この先、科学が発達して「飲むと元気回復、睡眠や休養がいらなくなる薬」が開発されたとして、それは私たちを幸せにするだろうか。

私はやはり、「もう休もうよ」とからだが出してくれる「疲れ」というサインに素直に従うべきだと思っている。

疲れるのは悪いことではない。
「ゆっくりしよう」というからだの声に耳をすまして、のんびりと日差しや布団のぬくもりを楽しんでみてはどうだろう。

     【睡眠用BGM】 不眠症解消 薬不要 不安解消 精神安定

   

  香山リカ(精神科医)『東京新聞』ふわっとライフ 2015.5.12 より

いとう治療院(はりきゅう 目黒区 渋谷区)は、
  病気と健康についてご相談を受けております。